【大涌谷】

近隣の温泉宿の源泉地。標高1050mの地に湧き出る湯は硫黄分を多く含み、山肌の至る所から硫化水素ガスが発生し、立ち入り禁止個所も多々ある。(硫化水素ガスは勿論、有毒ガスで健康な者でも大量に吸い込めば死に至る恐ろしい代物。)登別の【地獄谷】や別府の【〜地獄】と並ぶ源泉の観光名所だ。

この日は幸い風が強かった為、高濃度のガスが溜まるという亊は無かった様だが…それでも長時間滞在すると息苦しさと頭痛を感じる様になる…気管支の弱い御仁や喘息持ちの御仁は要注意の旨が途中の立て札に書かれている。(それがしは喘息持ちだが発作は起らなかったが)
地表から吹きだす水蒸気と硫化水素ガスはまるで地獄絵図の様だ…

源泉地へ階段を5分程登って行くと大涌谷名物の【黒卵】を源泉に浸けて茹で直販している【玉子茶屋】がある。硫化水素と鉄分が融合して殻が真っ黒になった茹で卵である(塩付きで6個500円)この黒卵、普通の温泉卵の様に半熟では無く、固茹でのゆで卵だ。1個食べると7年長生き、2個食べると14年長生きすると謳われている。ちなみに、それがしは3個食べて胸焼けした(爆)

黒卵の賞味期限は製造日から2日との亊。土産には手頃な価格だが日持ちがしないのが残念である。

一つで7年長生きと言うこと亊だが…6個食べたら、すぐに極楽浄土に行けるかも…(爆)

黒卵の製造風景。温泉池の中で10分〜15分茹でた後、5分程蒸気で蒸すそうな。

白濁した温泉が川となって流れる様は、まるで賽の河原の様だ…

大涌谷ではいたる所に【温泉の川】が流れている。この川の湯は適度な温度に冷めているので、肌寒い日には浸かりたくなる衝動にかられる。(笑)

真夏の来訪であったが、この時の気温は18℃。甚兵衛姿のそれがしには凍える寒さであった…標高は1050m…軽井沢や草津温泉とほぼ同じ標高である。

駐車場脇の【延命地蔵尊】にある【湯かけ地蔵】。湯口から掛け流された温泉をこのお地蔵様にかけながら願い事をすると叶うと云う…

甚兵衛に雪駄では凍える寒さだった…湯掛け地蔵の湯を柄杓ですくい、足に掛けるのだった…因みに…儂に湯を掛けても願い事は叶わんぞ〜!



【冨士荘】

京都の路地の茶屋をイメージしたという玄関は和の情緒あふれる造りになっており【隠れ家的】な雰囲気がソソラレる純和風旅館である。こじんまりとした宿で和室が8室のみ。そのうち2部屋が露天風呂付きの部屋という亊だ。

そぼ降る雨の似合う、そんな純和風の小さな宿である。

庭園の緑が雨に濡れて色を増し、美しい情景を見せていた。

玄関を入るとすぐに畳敷きの廊下だ。素足で上がれるので心地が良い。

小さな宿ながら貸し切り風呂が2つあり、当日電話予約すれば日帰りでも貸し切り風呂を愉しむ亊が出来る。風情のある門をくぐり石畳のアプローチを通り玄関を開けると畳敷きの廊下が心地よく来客を迎えてくれる。ただ日帰り入浴の場合には、休憩所が無いので先客が居た場合には畳敷の廊下に設置された応接セットで待たねばならない。

貸し切り風呂は坪庭のある【香林の湯】と“かぐや姫”がコンセプトの【なよ竹の湯】がある。我等は【なよ竹の湯】に入る亊にした。

写真左上:畳敷の廊下にある唯一の休憩スペース。此処で一服しながら先客が上がるのを待つ。

写真右上:貸し切り露天風呂の【なよ竹の湯】竹林の緑と番傘の赤、湯の白のコントラストが美しい。

写真左下:【香林の湯】こちらの湯には入らなかったが先客が上がった所を見計らって撮影のみ施行。(笑)

この貸し切り風呂脱衣所も一風変わっている。
茶室をイメージした造りで入る時には頭をかがめて入らなければ頭をぶつける。連れは、まんまと額を強打した。(笑)
畳敷きの脱衣所は3畳程の広さで畳の上に信楽焼の洗面台が設けられている。
脱いだ衣服は骨董箪笥に入れられる様になっていて心憎い演出である。

この脱衣所の雰囲気だけでもワクワクさせられるが、貸し切り露天風呂へ続く扉を開けると白い小石が敷き詰められた中に丸太の輪切りを埋め込んだ通路が、よしずで目隠しされた露天風呂に続いている。
竹で覆われた空間に円形の檜風呂に掛け流しにされている白濁の湯…
【日常からの脱出】にはうってつけの居空間である。

湯舟の上には大きな赤い番傘がかけられていて、この日は雨が降っていたが、この番傘と陣笠のおかげで
雨を気にせずに極上の濁り湯を堪能する亊が出来る。

冨士荘の湯は大涌谷から引かれている【カルシウムー硫酸温泉】という亊で白濁し、硫化水素臭(硫黄臭)のする、それがしの一番好きな泉質である。まったりとした浴感と硫黄の香が実に心地の良い湯である。

赤い番傘は少々色褪せていたが(笑)雨に濡れた竹の葉の緑と絶妙のコントラストを見せ、肌寒い位のこの日の気温と相まって、温かい湯に癒され風情に酔いしれ…心地よい一時を過す亊が出来た。この露天風呂には【雨も風情】であった。

心地の良い湯に浸かると、顏もつい綻ぶ。和みの時だ。

脱衣所から露天風呂に続く通路の壁に陣笠が備えられ、雨の時にはこの傘を被り入浴出来るのは、嬉しい心遣いである。

こちらも【なよ竹の湯】の湯口だが、こちらは普通の湯か?湯は任意で出せる様になっており、湯口に温泉成分の付着は無い。

貸し切り風呂の利用時間の40分は、あまりにも早く過ぎてしまう。せめて1時間は湯に浸かっていたいものである…
この宿には貸し切り風呂が2つ。部屋付きの露天風呂が2つ。そして、男女別それぞれに内湯と露天風呂があり、この小さな宿で計8つの風呂がある。その中で唯一大涌谷の源泉を使って居ないのが男女別の露天風呂だ。
【なよ竹の湯】の湯口。温泉成分が付着している。

内湯と露天の備長炭風呂。こちらの露天んも赤い傘があしらわれている。赤い傘は、この宿のトレードマークの様だ。

普通の沸かし湯で備長炭を湯舟の中に配し、湯を柔らかくし、遠赤外線効果で血行を促進すると言う。
我等は、この宿では【なよ竹の湯】にしか入っていないので、その浴感は判らぬのだが…

やはり硫黄臭のする白濁湯…魅力的である…それがしは、これさえあれば、満足してしまう傾向にある様である…(笑)

写真左下:玄関に大きな赤い番傘が仕舞われていた。晴れた日には玄関先を彩るアイテムの様だ。


【冨士荘】http://www.sengokuhara.com/
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817
TEL:0460−4−8125

■源泉名:大涌谷
■泉質:カルシウムー硫酸温泉
■効能:神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消火器病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進など
■日帰り入浴料:1,000円/60分
(内湯&備長炭露天風呂)
■貸切り風呂入浴料:一人1500円/40分(要当日予約)
■日帰り入浴時間:11:00〜20:00
■宿泊料:15,000円〜
(平日・休日)



【番外編・強羅温泉“中華・ミッキーの家”】

冨士荘を探しながら道に迷って偶然通りがかったペンションの様な建物の【ミッキーの家】が実は【中華屋】だった亊に気付いたのは貸し切り風呂の順番待ちで箱根のガイドブックを見ている時だった。店の名前がチャラチャラした感じでゲンナリするが(笑)メニューにある【温泉ラーメン】なるものに魅かれ、ミッキーの家に討ち入る。

ちなみに…温泉ラーメンてゃ何ぞ哉?と思われると思うが、
スープに強羅の濁り湯と湯の花を使い、温泉卵が付いてくるという代物。
期待の膨らむ一品である。
店内は中華屋とは思えぬ山小屋風の造りで
本物の暖炉が店内の奥にどっしりと構えたウェスタン調の居酒屋風の造りである。

コレが温泉ラーメンだっ!温泉卵をスプーンですくいだしてラーメンの中にいれると美味。


コチラは塩ラーメン。

運ばれて来た【温泉ラーメン】は見た目はごく普通の醤油ラーメン。
味は…?というと…どこが温泉なんだか良く判らない(爆)しかし、かすかに【酸味】を感じるので、この酸味が温泉の味なのやもしれぬ…ただ…物凄く…ショッパイ…半端じゃない…流石にスープを飲み干す気にはなれぬショッパさである。連れは【塩ラーメン】を注文したのだが、そちらの方が円やかな味わいだ。
しかし、この温泉ラーメンも今となっては、もう一度喰いたい気がする。
なんとなく不思議な微妙な味わいだった…


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